わきがに効く?!塩化ベンザルコニウムって何?効果や副作用まとめ
わきがのデオドラント剤を見ていると「塩化ベンザルコニウム」が配合されているものを見かけます。たしかに、塩化ベンザルコニウムには強い殺菌作用があり、わきがの匂いを軽減する効果が期待できると言われています。
ただ、だからといってわきがの人すべてにオススメできるかというと、そういうわけでもないようです。ここでは、塩化ベンザルコニウムのわきがに対する効果や副作用について見ていきましょう。
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塩化ベンザルコニウムの殺菌力でわきがの原因菌を殺す
わきがはアポクリン腺から分泌される脂質やタンパク質を多く含む汗が原因ですが、この汗自身は無臭です。
皮膚に住んでいる皮膚常在菌がこの汗を食べて分解し、わきがの匂いの元になる物質を作り出すことでわきがの匂いが発生します。
この皮膚常在菌はジフテロイド菌という細菌です。
軽度から中程度のわきがの場合は皮膚常在菌はほとんどが表皮ブドウ球菌です。表皮ブドウ球菌は肌を弱酸性に保って、外からの細菌の侵入を防ぐ役割を担っています。
軽度から中程度のわきがの人はアポクリン腺があまり発達していないか数が少ないので、アポクリン腺から分泌する汗が少なく、ジフテロイド菌がたくさん繁殖する土壌がありません。
一方、重度のわきがの場合、皮膚常在菌はジフテロイド菌が主体になります。強度のわきがの人はアポクリン腺が大きく数も多いので、エサになる汗をたっぷりと分泌してジフテロイド菌をたくさん繁殖させてしまうのです。
ジフテロイド菌はわきがの匂いの元になる「ジメチルジクラソン」や「カプリン酸」という物質を分泌します。
このジフテロイド菌はかなり強い菌なので、弱い殺菌作用の殺菌剤では殺すことができませんが、強い殺菌作用を持つ塩化ベンザルコニウムならば殺菌することができます。
わきがの匂いの元であるジフテロイド菌を殺すことができればわきがの匂いも軽減されるのですが、これには困った副作用があります。
塩化ベンザルコニウムで殺菌する副作用とは?
塩化ベンザルコニウムは強いジフテロイド菌を殺すほどの殺菌作用を持っているので、当然、それ以外の菌も殺してしまいます。その中には表皮ブドウ球菌も含まれます。
表皮ブドウ球菌は肌を弱酸性に保って細菌の侵入を防いでいるので、塩化ベンザルコニウムを使って表皮ブドウ球菌も殺してしまうと、肌を守る菌がいなくなり、無防備な状態になってしまいます。
無防備な状態になると、思わぬ細菌の侵入を許してしまう危険が出てきます。時にはやっかいな病気を引き起こしてしまうことも。
塩化ベンザルコニウム配合のデオドラント剤はとても強力ですが副作用もあるので、自分のわきがの状態に合わせて利用することが重要です。
塩化ベンザルコニウムとデオドラント剤の使い分け方法
強度のわきがの人は塩化ベンザルコニウム配合のデオドラント剤を使うとよいでしょう。少量だけ利用できるクリーム状のものやジェルタイプなど、塗るタイプのデオドラント剤がオススメです。脇以外の部分について、他の菌を殺してしまうことが防げます。
強度のわきがの人でも、連日の使用は避けましょう。匂いの程度にもよりますが、3日に1回、1週間に1回など休みを設けながら利用すると表皮ブドウ球菌など、必要な皮膚常在菌の回復時間が取れます。
一度ジフテロイド菌を殺菌すればしばらくは回復しないので、次の使用までの間は軽度から中程度のわきがの人と同じような対策をすれば十分です。
軽度から中程度のわきがの人は塩化ベンザルコニウム配合のデオドラント剤を使うとデメリットの方が大きくなるので、アルコール類が含まれたデオドラントシートで拭き取って殺菌するとよいでしょう。
その後、植物性の効果の弱い消臭剤を使うだけでもずいぶん効果があるはずです。
まとめ
いかがでしたか?塩化ベンザルコニウムはとても強力な殺菌作用がありますが、皮膚に不可欠な菌まで殺してしまうので、使い方には十分な注意が必要です。
使い方を誤ると思わぬ皮膚トラブルを招き、結果的にわきが臭が悪化する(皮脂の分泌量が多くなったり、垢が多くなり、わきが菌のエサが増える可能性がある)危険性もあります。
自分のわきがの程度や状態に合わせて上手に利用するようにしましょう。